小学1年生から6年生までの発達性読み書き障害児38名を対象に,1モーラ表記文字と仮名,漢字単語単独提示の音読課題と速読課題を実施した.その結果,単独課題での音読に誤りがなく音読開始時間や速読での所要時間が延長していた児童が8名,逆のパターンを示した児童が3名いた.また,速読課題にて同学年典型発達児の2 SD以上の音読所要時間を示した35名のうち,単独提示課題でも音読開始時間が2秒以上遅延した児童が25名(71%)いた.今回の結果から,音読の正確性と,単独提示課題での音読開始時間あるいは速読課題の所要時間で測定した流暢性は独立に障害される可能性が示唆された.また,単独提示課題の音読開始時間を測定することによって70%以上の児童における音読所要時間の遅さを予測することが可能であった.