2019 年 60 巻 3 号 p. 179-183
発声・発語には頭頚部諸筋の運動が関与している.運動系は上位運動ニューロン,下位運動ニューロンを経て筋へ興奮伝達する経路を主体とし,その途中で大脳基底核・小脳を中心とした制御系によって協調運動が遂行される.dysarthriaはそれらの障害によって生じる.dysarthriaは高位診断と対応してpyramidal,extrapyramidal,ataxic,flaccidに分類される.pyramidal dysarthriaは上位運動ニューロン障害によって生じ痙性麻痺を呈する.extrapyramidal dysarthriaは大脳基底核障害で,hypokineticとhyperkineticに分けられる.ataxic dysarthriaは小脳系の障害によって生じる.flaccid dysarthriaは下位運動ニューロン以遠の障害によって生じる.