悪性腫瘍を除き音声障害の治療には音声外科と保存的治療がある.
良い声を獲得するためには両者の連携治療が必要である.その比率は術前治療10%, 音声外科60%, 術後治療30%と考えられる.術前治療の目的は手術に備えて全身状態を良くしておく.術後の創傷治癒を速やかにするために局所の消炎治療を行っておくことである.このなかには声の多用, 誤用などで反応性の炎症を起こしている場合がありこれもできれば改善しておきたい.術後治療の目的は早期治癒, 再発予防, 手術の微調整などの補助治療である.このために, 音声治療が重要であることを強調したい.