音声言語医学
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Dysarthria患者におけるポインティング・スピーチの有効性に関する検討
西尾 正輝新美 成二
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2002 年 43 巻 4 号 p. 386-390

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抄録

Dysarthria患者47例を対象として, ポインティング・スピーチの有効性について検討した.その結果, 主に以下の結果を得た.
1.語頭文字非提示時と比較して語頭文字提示時は有意に明瞭度が高かった.
2.いずれの重症度群においても語頭文字提示時では語頭文字非提示時と比較して有意に明瞭度が高かった.特に, 中等度群ならびに重度群では両者の差が大きかった.
3.いずれのタイプにおいても語頭文字提示時では明瞭度が上昇したが, 語頭文字非提示時に明瞭度が低いタイプほど語頭文字提示時に大きく明瞭度が上昇した.
4.3モーラ語と4モーラ語との間に有意差は認められなかった.
以上の知見に基づいて, dysarthriaにおけるポインティング・スピーチの臨床的有効性について検討を加えた.

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