2003 年 44 巻 4 号 p. 334-337
甲状軟骨形成術I型, 披裂軟骨内転術は, 一側反回神経麻痺の嗄声改善の手術として広く行われている.われわれはこれらの手術を局所麻酔下に行い, 術中, 患者の声を聞きながら声帯の内方移動の程度を調節してきた.しかし, 術中に起こる声帯の浮腫や腫脹により, 音声のみの評価で内方移動の程度を調整した場合, 判断を誤ることがある.麻痺声帯の内方移動の程度の調節は, 音声のみならず喉頭をモニターすることが重要である.喉頭をモニターすることで, 麻痺声帯の内方移動をより正確に行うことができ, また術後の合併症を防ぐことができると考える.