音声言語医学
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吹き戻しによる鼻咽腔閉鎖機能検査の不確実性
佐々生 康宏舘村 卓野原 幹司和田 健
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キーワード: 吹き戻し, 鼻咽腔, 口腔内圧
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2006 年 47 巻 2 号 p. 166-170

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抄録

【目的】吹き戻しが鼻咽腔閉鎖機能 (以下VPF) の客観的評価に使用できるか否かを検討した.
【方法】2製造会社 (O社, Y社) の吹き戻し各10本を研究対象とした.送風装置から吹き戻しに空気を吹送して, I) 巻紙の巻かれた状態から伸展させた場合と, II) 伸展させた状態を維持した場合に必要な空気圧を測定した.
【結果】条件Iでは, O社製で33.2±3.4cm H2O (変動係数0.10) , Y社製で40.5±4.0cmH2O (変動係数0.10) , 条件IIでは, O社製で1.7±0.8cmH2O (変動係数0.48) , Y社製で3.1±0.3cmH2O (変動係数0.10) であった.条件IIよりも条件1での空気圧が高かった (p<0.01) .また, 2条件で必要な空気圧は製品ごとに異なっていた.
【結論】吹き戻しでは, 伸展の条件や製品によりblowing時の口腔内圧が異なる可能性があるため, VPFの客観的評価は困難であると考えられた.

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