音声言語医学
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エレクトロパラトグラフィ (EPG) 臨床活用に向けた日本語音韻目標パターンの作成と構音点の定量的評価指標の算定
藤原 百合山本 一郎前川 圭子
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2008 年 49 巻 2 号 p. 101-106

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抄録

EPGを用いた構音訓練の目標として示す日本語音韻のEPGパターンを得ることを目的に, 正常例の構音動態を分析した.顎口腔機能に異常がない成人5例を対象とし, 日本語5母音と歯茎音・硬口蓋音・軟口蓋音をWinEPGシステム (Articulate Instruments Ltd.) を用いて記録した.各音について最も舌と口蓋の接触が多いフレームを選択し, 5名の被験者の累積頻度パターンを作成した.また, 舌と口蓋の接触が前後方向いずれに偏っているかを示すCenter of Gravity (COG) 値の平均値を算出した.結果, 累積頻度パターンは個人間の共通部分が明らかとなり, 変動の許容範囲も示せるので, 視覚的フィードバック訓練の有用な目標パターンとなった.COG値は構音点の前後方向の違いを具現しており, 構音場所の誤りを定量的に評価する指標となりうることがわかった.

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