有病者歯科医療
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口腔出血を契機として判明した胸部解離性大動脈瘤術後残存に惹起されたDICの1例
山川 摩利子川口 辰彦加崎 慎二郎大川 伊織野中 憲昭
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2002 年 11 巻 2 号 p. 73-78

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抄録
今回われわれは, 口腔出血を契機として胸部解離性大動脈瘤術後残存に惹起されたDICと診断された1例を経験した. 患者は64歳, 女性で, 右側上顎大臼歯部歯肉からの出血・止血困難を主訴に2001年1月■日に当科を受診した. 約1年前, 他院で解離性大動脈瘤に対する人工血管置換術を受けた. 既往歴・現病歴と現症から出血傾向を疑い, 局所処置と並行して血液検査を実施した. 凝固系検査で多数の項目に異常値を認めたため内科に対診し上記の診断を得た. 内科入院下に抗凝固・補充療法と歯科的処置を行い17日間で軽快退院となった. 以後内科的・歯科的管理により再出血はなく良好な経過を辿っている. 今回の症例を通じて, 歯科医療における臨床検査・対診・病診連携の重要性について再認識した.
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© 日本有病者歯科医療学会
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