有病者歯科医療
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抜歯後の異常出血を契機に多発性骨髄腫が発見された1例
中塚 厚史内山 麻由子小池 剛史小林 啓一栗田 浩倉科 憲治
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2003 年 12 巻 3 号 p. 165-169

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抄録
抜歯後の異常出血を契機に多発性骨髄腫が発見された1例について報告する. 患者は75歳, 女性. 上顎大臼歯部の違和感を主訴に2003年8月■日当科を受診した. 前医で抜歯後出血があったので出血傾向について検査を行い, 出血時間, PT, APTT値の延長を認めた. 左右上顎大臼歯と左下側切歯を抜歯したところ, 右上顎大臼歯部からの持続的な出血を認めた. 入院後の追加検査にてIgAの上昇を認め, 骨髄穿刺にて形質細胞が多数認められIgA型の多発性骨髄腫と診断された. またCT検査にて右上顎大臼歯部に骨欠損像を認めた. 臨床症状と検査結果から, 右上顎部に骨髄腫が存在することが示唆され, これが原因で抜歯後の異常出血が生じたと考えられた.
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