有病者歯科医療
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重症筋無力症患者の抜歯4例の検討
葉山 揚介梅本 丈二出口 充喜久田 利弘
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2007 年 16 巻 1 号 p. 23-29

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抄録
自己免疫疾患である重症筋無力症は, 骨格筋の低下や易疲労感を特徴とする. 歯科における治療において薬剤やストレス, 感染によってそれらの症状は増悪する. 最も重篤な病態をクリーゼという.
われわれは重症筋無力症患者4例の抜歯を経験した. 局所麻酔は10万倍希釈エピネフリン含有1%塩酸リドカインを使用した. 全4例は呼吸管理可能な手術室で抜歯を行った.
4例中1例において眼瞼下垂, 四肢の脱力感と筋力低下を経験した. 29歳の女性でMGFA分類がIIIbであり, 下顎埋伏智歯1本と上顎智歯2本の抜歯を行った症例であった. 歯科治療におけるMG患者の臨床的分類が重要であることが示唆された.
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© 日本有病者歯科医療学会
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