日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 1882-0476
Print ISSN : 0916-4804
ISSN-L : 0916-4804
短報
ナノ銀粒子を静電吸着させたコラーゲン水解ペプチド (GX-95) の抗真菌活性
矢口 貴志滝澤 香代子田口 英昭田中 玲子窪田 規窪田 宜昭窪田 正昭福島 和貴
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 48 巻 2 号 p. 97-100

詳細
抄録

銀は, 古くから細菌などの微生物に対して抗菌作用を有することが知られており, 食器をはじめ歯科用充填材などに用いられている. 今回, ナノ銀粒子を静電吸着させたコラーゲン水解ペプチド (GX-95) の病原真菌を中心とした真菌に対する抗真菌活性について検討した. その結果, 検討したすべての菌種に対し, 抗真菌活性を有することが明らかとなった. 最小発育阻止濃度 (MIC) は, fluconazole, itraconazole, flucytosine 耐性株を含めたCandida albicans に対して0.25-3.1μg/ml, Cryptococcus neoformans に対して0.05-0.2μg/ml, Aspergillus fumigatus に対して0.025-0.4μg/ml, Trichophyton rubrum に対し0.4μg/ml, Cladophialophora carrionii に対して0.05μg/ml などとなり, GX-95は幅広く強い抗真菌活性を示した.

著者関連情報
© 2007 日本医真菌学会
前の記事
feedback
Top