日本医真菌学会雑誌
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ISSN-L : 0916-4804
原著
生検にて診断できた爪カンジダ症の2例
小林 憲澤田 美月二宮 淳也石崎 純子原田 敬之田中 勝
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2009 年 50 巻 4 号 p. 253-257

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抄録
症例1:81歳,男.約1年前,右第2指の爪甲剥離が出現した.症例2:81歳,女.気管支喘息でステロイド,高血圧でCa拮抗薬を内服中.初診の数ヵ月前より右第2,3指の掻痒を自覚し,爪甲変形も出現した.
いずれも初診時の鏡検では菌要素陰性であり,病変部爪甲の生検にて爪甲中層から深層に白癬菌類似の菌要素を証明した.培養にてCandida albicansを分離同定した.症例1はイトラコナゾール100mg/日を14週間の連日投与にて治癒した.症例2は併用薬を考慮してテルビナフィン125mg/日投与したが難治であり降圧剤を変更の上,イトラコナゾール内服100mg/日の連日投与16週間にて治癒した.
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© 2009 日本医真菌学会
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