真菌と真菌症
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Ketoconazole (KW-1414) の抗菌活性に関する研究
第6報 Ketoconazole 及び類縁物質の真菌及び乳酸桿菌に対する抗菌力について
米山 裕小林 智岡地 諒
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1984 年 25 巻 4 号 p. 372-378

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抄録
合成抗真菌剤 Ketoconazole (KCZ: KW-1414) の類縁物質であるR-39519 (脱アセチル体) 及びR-44319 (トランス体) は Candida 属菌種の一部と皮膚糸状菌に対してわずかに抗菌力を示したが, HLI-151 (酸化型) はこれらの真菌に対して抗菌力を示さなかつた. また, KCZの生体内代謝産物である2種のピペラジン誘導体R-43568ならびにT-1141もこれら真菌類に対して全く抗菌活性を示さなかつた. 膣内常在性乳酸桿菌に対してはKCZ, R-39519, R-43568及びT-1141は全く抗菌力を示さなかつた. 一方, KCZ 200mgを1回経口投与したヒト健康成人の血中 (1~2時間) には, Kluyveromyces fragilis 55-1を用いたバイオオートグラフィーの結果ではKCZ以外には抗菌力を示す代謝産物は検出されず, 同じく尿中 (2~4時間) にも抗菌活性を示す物質は全く検出されなかつた.
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© 日本医真菌学会
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