我々は,川崎病疾患モデルを作製する目的で,これまで10数年にわたりCandida albicans菌体成分によるマウスの動脈炎作製実験を重ね,それと共にその発生機序について検討してその成績を発表して来た.
今回は,川崎病の治療法として現在その効果が注目されているγ-グロブリンの動脈炎治療効果を検討する目的で,マウスのγ-グロブリンを作製,精製して実験に供した.その結果,マウスのγ-グロブリン使用群では,非使用群に比し動脈炎の発生は減少傾向を示した.しかし,対照として使用したアスピリン及びプレドニンの効果と比較すると,その効果に優位性は認められなかった.