1998 年 39 巻 3 号 p. 161-165
ヒト子宮頸管粘液のラクトフェリン量およびCandida albicans発育阻止活性を検討した。ボランティア15例から採取したヒト子宮頸管粘液検体中のラクトフェリン量を抗ヒトラクトフェリン抗体を用いた酵素抗体法により測定した結果,11例の検体は,0.2mg/ml以上のラクトフェリン濃度を示した.また子宮頸管粘液の1/200倍希釈液は,単独では,C.albicans発育を阻止しないものの,好中球の試験管内でのCandida発育阻止活性を増強した.以上の成績より,膣粘膜表面において子宮頸管粘液が好中球と共働してCandida感染防御効果を発揮する可能性が示唆される.