日本線虫研究会誌
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フェニールアゾフェノール系化合物の殺線虫および殺ミミズ作用
井上 忠彦林 栄一
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1982 年 11 巻 p. 38-43

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抄録

動物寄生線虫類(Rhabdias bufonis, Ascaris lumbricoides, Anchylostoma canninum)ならびにEisenia foetidaに顕著な致死作用を示した4-フェニールアゾフェノール誘導体のpanagrellus redwiousならびに2種のユリミミズ(Branchiura sowebyi, Criodrilus bathybates)に対する殺線虫ならびに殺ミミズ作用を虫体浸漬試験にょり検討した。
Panogrellusに対して最も有効であった化合物は,P-11,13ならびに73で,これらはベンゼン核のp位にCl, BrまたはCH3基を置換した誘導体である。
ニトロ基導入化合物の大多数はBranchiuraに極めて有効であった。とくにニトロ基ならびにハロゲンをベンゼン核のp位ならびにフェノール核の3,5位に置換したP40,62ならびに99は強毒性で且つ速効作用を示した。
Criodrilusに対して最も有効な化合物はP-62であった。
4種の線虫にたいするアゾ化合物の毒性はPanagrellusAnchylostomaが相似し,Rhabdiasは異なった。3種のミミズの間には毒性の差は認められなかった。

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