ソルゴー,マリーゴールドおよびラッカセイを夏作物に導入した後のキタネグサレセンチュウおよびサツマイモネコブセンチュウの発生動向を,慣行作物のスイカと対比して検討した。また,リクトウ,サツマイモ,サトイモ,アスパラガス,タヌキマメ,アレチウリなどを栽培した場合のキタネグサレセンチュウの密度変動について調査した。
1)ソルゴーの栽培は,キタネグサレセンチュウの密度を増加させ,サツマイモネコブセンチュウの増殖は慣行栽培のスイカより低いものの顕著な密度低下はみられなかった。
2)ラッカセイの栽培は,キタネグサレセンチュウの密度を低下させるが,後作のダイコンで復元が認められた。一方,サツマイモネコブセンチュウに対しては顕著な密度の低下がみられた。
3)マリーゴールド(メキシカン)の栽培で,キタネグサレセンチュウおよびサツマイモネコブセンチュウの密度は顕著に低下した。しかし,サツマイモネコブセンチュウでは,次年度の夏作スイカで密度の復元が認められた。
4)アスパラガスの栽培により,キタネグサレセンチュウの密度の低下はかなり顕著であった。また,サツマイモ,サトイモでも密度が低下した。タヌキマメは,キタネグサレセンチュウの密度を低下することなく,アレチウリでは著しい増殖がみられた。
5)マリーゴールド(メキシカン)を栽培すると,その後作物を繰り返し栽培してもキタネグサレセンチュウの密度復元は遅く,またラッカセイの栽培で,サツマイモネコブセンチュウの密度の低下は長期にわたった。
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