2000 年 30 巻 1-2 号 p. 47-50
コガネムシ類幼虫に対して殺虫力をもつ昆虫病原性線虫Steinernema glaseriの生育とその共生細菌であるXenorhabdus poinariiの増殖に及ぼす温度の影響を調べた。
ドッグフードペプトン培地とハチミツガ (Galleria mellonella) の幼虫体内でS. glaseriは、10℃ 以下及び35℃以上で生育しなかった。最高増殖は25-28℃で認められた。共生細菌は21-35℃の問で増殖し、最適増殖温度は30-33℃であった。Sglaseriと共生細菌に共通する増殖適温は25-28℃であった。S. glaseriも共生細菌も36℃以上では増殖できなかったことから、体温36℃以上の恒温動物に対する病原性は低いと判断された。