日本未市販の葉ダイコン品種に対する接種試験によ
りテンサイシストセンチュウ(Hs)抵抗性が示唆された
「KGM1804」(カネコ種苗)について、Hs に対する捕獲
作物として既に利用されている市販品種「コブ減り大根」
(タキイ種苗)と同等に利用できるか検証した。PET製カッ
プ苗を用いて1,500 頭/ 株のHs 幼虫を接種したところ、
好適寄主のキャベツでは株あたり平均243 個のシストが
形成されたが、本品種および「コブ減り大根」ではシスト
が全く形成されなかった。根滲出液によるHs のふ化促
進効果を検証したところ、「KGM1804」はキャベツおよび
「コブ減り大根」と同様にふ化促進効果を有していた。ま
た、Hs 発生地域の圃場において本品種は「コブ減り大根」
と同等以上に生育した。これらの結果から、本品種が「コ
ブ減り大根」と同等の捕獲作物として利用可能であると
考えられた。なお、当該葉ダイコンは「シスクリーン」の
商品名で上市されることとなった。
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