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日本鳥学会誌
Vol. 65 (2016) No. 2 p. 129-142

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http://doi.org/10.3838/jjo.65.129

原著論文

 埼玉県の北西部の本庄市周辺でオオタカの1歳未満の雄幼鳥3羽と雄成鳥1羽を捕獲し,発信器を装着して行動追跡を行った.幼鳥のうちの2羽は定着後1年経った1歳時に,1羽は2年後の2歳時に繁殖なわばりを獲得し繁殖した.幼鳥3個体が獲得した繁殖なわばりは,独身期の行動圏内であった.繁殖未経験の個体の行動圏面積は成鳥に比べ大きく,最外郭法で4.2倍(95%カーネル法で11.5倍)の広さがあった.調査中にこれらの新規加入個体が遠くに移動することは無く,捕獲場所である大久保山周辺に定住していたことから,調査対象地に定着していたと考えられる.独身期の個体の行動圏は互いに重複が多く,繁殖なわばりを獲得してからは,重複部は減少した.幼鳥と成鳥との争いでは,成鳥が常に優位であり,繁殖期は成鳥の営巣場所近くは避ける行動が観察された.新規加入個体は,幼鳥時はなわばり誇示行動が見られなかったが,成鳥になった後は,1月から4月の繁殖開始時期になわばりを誇示する行動を行った.オオタカの幼鳥は生まれた年の冬には新しい生息場所に定着し,それ以降の成鳥になるまでの行動圏内で繁殖なわばりを獲得すると示唆された.

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