2024 年 73 巻 2 号 p. 231-236
2022年6月から9月にかけて,波照間島において4羽のリュウキュウコノハズクOtus elegansの糞便から条虫の受胎片節が得られた.本条虫の種を同定するために,形態学的観察と核DNAの28S ribosomal DNA領域に基づく分子遺伝学的解析を行った.その結果,片節側方に生殖孔を持つことから円葉目条虫であること,さらに片節から得られた28S rDNAの配列がディレピス科に属するMonocercus属と高い相同性を示すことが判明した.これらのことから,本条虫はディレピス科に属する条虫であると考えられたが,属以下の同定には至らなかった.本研究は,本邦におけるリュウキュウコハズクから検出された初めての条虫類の記録であり,本条虫の詳細な分類,地理的分布,生活史などの解明が今後の課題とされた.