2026 年 75 巻 1 号 p. 111-116
2024年1月に新潟県妙高市の同一住宅敷地内でメジロが相次いで死亡する事例が発生し,1月5日から1月10日の6日間に計15羽の死体が回収された.鳥インフルエンザの陰性を確認後,新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里に搬入し,9羽について解剖を行った.外部の観察では,嘴から舌先が出ている,翼全体を下げた姿勢等が多く確認され,内部の観察では,頭蓋骨下の出血,肺からの出血等が多く確認された.脂肪量,筋肉量から栄養状態に問題はなく,胃の内容物から,死亡する前まで採餌を行えていたと考えられた.現場住宅は風除室が凸状に突き出た構造でガラス窓に囲まれており,メジロが餌場のカキノキと休憩に利用する常緑樹との間を移動する経路上に位置していた.また,本事例発生時は積雪がほとんどない状況であり,風除室のガラス窓全体が露出していた.これらの結果から,本事例はメジロが餌場と休憩場所の間を移動する際に,連続的にガラス窓へ衝突したことが原因で発生したと考えられた.本事例は,高層建造物のみならず,一般住宅での衝突対策の重要性を示している.