中央アルプス木曾駒ケ岳の亜高山帯の鳥相を,1978年6月から11月までの間に調査した.調査方法は,既報の高山帯,低山帯での調査(古厩,1978,1979)と同様に,ライントランセクト法を用いた.
(1)観察された鳥類は,全部で4目14科25種であった.センサスの結果をTable1に示し,若干の種について観察状況を述べた.
(2)数種は6月に最大値を示し,個体数は10月に最大値を示した.また種数,個体数ともに最小になるのは冬期と推測された.
(3)さえずりが記録しやすい種について,雄のさえずりの記録数から繁殖つがい数の推定を試みた.
(4)カラ類の混群は,8月以降のすべての調査で観察された.混群の構成種はキクイタダキが最も多く,全構成個体数の41.0%を占めた.