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メグロの生態•行動上のいくつか注目すべき特徴
樋口 広芳中根 正敏鈴木 綾子
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1984 年 33 巻 2-3 号 p. 67-73

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抄録
(1)小笠原諸島の固有種メグロの生態や行動を,1977年8月から1982年8月まで母島で調査した.
(2)囀りは主に3月から7月の繁殖期に聞かれた.ただし,囀りの記録頻度はきわめて低く,1日当りの平均囀り雄数は,どの時期でも1にならなかった.
(3)求愛給餌は繁殖期のどの段階でも観察されなかった.これまでに求愛給餌として報告された例は,成鳥と変わらない外観をもつ巣だちびなに対する親鳥の給餌例であろうと考えられる.
(4)つがいと思われる2羽の間で相互羽つくろいが観察された.ただし,7例中1例では,親鳥が巣だちびなの羽つくういをした.この行動は主に午後行なわれた.
(5)つがいと思われる2羽は,夜,枝上で互いにくっついて寝た.この塒場所は,日によってしばしば変更された.
(6)頭かきは間接法,すなわち翼と脇の間からあしを出す方法を使って行なわれた.
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