日本鳥学会誌
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北海道東部のミズナラ林における繁殖期の鳥類群集
藤巻 裕蔵
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1988 年 37 巻 2 号 p. 69-75

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抄録
1) 九州大学農学部足寄演習林(北海道足寄郡足寄町)のミズナラ林24.75haで1984•1985両年に森林構造と繁殖期の鳥類群集の関係を調べた.
2) 調査地における胸高直径5cm以上の樹木の密度は1,391本/ha,基底面積は44.25m2/ha,樹冠うっ閉度は92%,林床植物の被度は90%であった.
3) 調査期間中に40種の鳥類が観察されたが,そのうち29種はなわばりをもち,それ以外の種は一時的に飛来したものであった.
4) 相対優占度2%以上を占めた主要種は,ビンズイ,センダイムシクイ,キビタキ,コサメビタキ,エナガ,ハシブトガラ,ヒガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,アオジ,イカル,ニュウナイスズメの13種であった.
5) 北海道の他の落葉広葉樹林の鳥類群集との比較を行ない,樹木の種構成や密度が鳥類の種数や生息密度に影響することを明らかにした.
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