日本鳥学会誌
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アカモズ雌雄の外部計測値における差異と雌雄判別
高木 昌興
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1996 年 45 巻 3 号 p. 187-190

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抄録
アカモズは羽色の性的二型が不明瞭なので,形態計測値の雌雄比較,および判別分析による雌雄判別を試みた.調査は1992~1996年の5~7月に北海道石狩郡で行なった.抱卵斑の有無によって性判別をしたアカモズの雄19個体,雌16個体について,10箇所の外部形態の計測,および体重測定を行なった.その結果,尾長と額の白色帯の幅は雄で有意に長い傾向が認められたが,自然翼長,ふしょ長,露出嘴峰長,嘴高長,嘴幅長,口角長,全頭長には有意な雌雄差は認められなかった。
計測値間で高い相関関係が認められなかった6変数,すなわち尾長,ふしょ長,露出嘴峰長,嘴高長,嘴幅長,額の白色帯の幅を説明変数として,変数増加式の多変量線形判別分析を行なった.その結果,尾長と額の白色帯の幅の2変数が選択され,以下の判別式が得られた.
Z=23.8-0.66x1+0.24x2(F=40.28, dfs=2.29, P<0.0001)
x1は尾長(mm), x2は白色帯の幅(mm)を示し,判別値Z<0で雄, Z>0で雌として判別される.この判別式を用いたときの雄の判別率は89.5%,雌の判別率は100%,両性では94.3%であり,雌雄の判別がほぼ可能であることがわかった.繁殖地に渡来したばかりの雌は抱卵斑を発達させていないので,その時期の雌雄の識別にこの判別式は効果的である.
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