日本鳥学会誌
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鳥類の性配分に関する研究とDNAによる性判定
西海 功
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1999 年 48 巻 1 号 p. 83-100

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抄録

近年DNAを使った性判定がいくつか開発され,鳥類における性配分の研究が急速に発展している.鳥類における性配分の研究に関して個体群の一次性比の研究,条件的性比操作の研究,性に偏った給餌の研究の3点に分けて紹介した.個体群性比と性に偏った給餌の研究はまだあまり進んでいないが,最近の性比操作の研究は性比操作がこれまで考えられてきた以上に鳥類に広く見られることを示唆している.性比操作のメカニズムの解明はこれからの課題で,特に性比操作のコストの評価は性配分の量的な予測に不可欠である.また,上記3点の相互関係の研究はあまり進んではいないが,性比を操作する性と割り増しの投資をする性の分離がセキセイインコとオオヨシキリで見られ,このことが個体群の性比に影響を与える可能性を示唆した.

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