日本鳥学会誌
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飼育下のフクロウ Strix uralensis のエネルギー収支
樋口 亜紀阿部 學
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2001 年 50 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

本研究では,飼育している3羽の成体フクロウ Strix uralensis の摂食量•排出量を測定し,餌動物と排出物のエネルギー量からフクロウのエネルギー収支を求め,飼育下のフクロウの必要餌量を明らかにした.以下に結果を示す.
1)3羽のフクロウの同化エネルギー(AE)は,平均 447.2±9.1kJ/dayで,単位生体重あたりの同化エネルギーは0.702±0.014kJ/dayであった.
2)測定期間中のフクロウの体重は0-1.4%の範囲で変化し,生産エネルギーは5.2±1.OkJ/day,維持エネルギーは442.2±9.OkJ/dayと同化エネルギーの98.8±0.2 %を維持エネルギーが占め,成体では同化したエネルギーのほとんど全てを個体の維持に費やしていた.
3)体重639.6gのフクロウは,1日に567.9±10.4kJ のエネルギーを摂取し,ペリットとして43.4±1.4kJ, 糞として77.3±1.2kJの,合わせて120.8±2.OkJを排出した.
4)排出物の単位乾燥重量あたりのエネルギー含有量は,ペリットが13.2±1.1kJ/9,糞が11.0±0.3kJ/9であった.
5)フクロウは1日に体重の13.2%に相当するアカネズミ2.3個体(83.9g,567kJ)を摂食し,78.5%を同化し,ペリットとして7.5%,糞として14.0%排出して体重を維持していた.

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