日本評価研究
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特集:「エビデンスに基づく政策立案(EBPM)」の現状と課題
エビデンスに基づく政策立案(EBPM)と研究論文の質改善のための報告ガイドライン
正木 朋也津谷 喜一郎
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2020 年 20 巻 2 号 p. 3-18

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抄録

 日本では2010年代後半以降、公的セクターでの「エビデンスに基づく政策立案」(evidence-based policy making: EBPM)の方針が出された。医学領域では1996年にランダム化比較試験(randomized controlled trial: RCT)論文の質向上のためのCONSORT声明が開発された。報告ガイドラインの嚆矢となる。その第3版の全25項目からなるCONSORT 2010は16カ国語に翻訳され世界で広く使われている。また、観察研究(断面研究、後向き研究、前向き研究)やシステマティック・レビューなど基本的な研究デザインについて、さらにその拡張版としてクラスターランダム化や非薬物系などの種々の報告ガイドラインが開発され、その総数は400件を超す。これから研究計画を作成しようとする者にとり利用価値の高い、種々の報告ガイドラインをカバーするEQUATOR Networkが2008年に設立され広く用いられている。EBPMに報告ガイドラインを使う事はそれなりの実現可能性をもつ。

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