日本評価研究
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国際機関とのモニタリング・評価を通した域内協力
中南米シャーガス病対策の事例より
中川 淳
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2004 年 4 巻 2 号 p. 71-81

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抄録

シャーガス病は中南米に広く分布する深刻な感染症であるが、域内対策イニシアチブが成果を挙げ、5カ国で感染の中断が「認定」されている。米州保健機構 (PAHO) が支援する対策イニシアチブのモニタリング・評価は「域内年次会議」と「PAHO評価団」を中心に実施される。このモニタリング・評価の目的には目標達成度の評価のみならず技術交換やキャパシティ・ビルディングも含まれ、各国やドナー機関の関係者が広く参加して実施される。
国際協力機構 (JICA) が協力するグアテマラ国シャーガス病対策は域内イニシアチブのモニタリング・評価に参加することで (ア) PAHO・グアテマラ・JICA間の相互強化、(イ) 関係者の能力向上、(ウ) 域内協力の活性化、等の利益があった。シャーガス病対策のモニタリング・評価は技術面に限られており、今後はJICAとPAHOが相互補完して包括的な評価をすることが望まれる。

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