2024 年 32 巻 1 号 p. 95-98
私は精神科単科病院で救急医療に取り組んでいたが,医療リワークプログラムを院内で立ち上げ,現在は職場のメンタルヘルス体制構築と実践に取り組んでいる.自身の働き方の変遷において,先達との出会いと学びから大きな影響を受けた.医療リワークでは,利用対象者の範囲がメランコリー親和型うつ病から双極性障害,発達障害等に拡大している.精神医療の高度化や多様化,オーダーメイド化の流れはあるものの,対面実施や集団内でのつながりはリワークの重要な要素であり続けるだろう.職場のメンタルヘルス対策において,精神科医は二次予防・三次予防に主に関わっている現状だが,今後は一次予防そしてゼロ次予防へと活躍の場が拡がるだろう.本大会で立ち上がった「若手の会(仮称)」の活動は,多職種間の新たなネットワークづくりや年代を超えた学会の活性化に貢献できうる.本格的な活動はこれからであり,多くの会員からの協力を期待する.