日本口腔粘膜学会雑誌
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口腔乾燥症患者における口腔粘膜保湿度の評価
総唾液分泌量との関連
佐藤 しづ子笹野 高嗣古内 寿飯久保 正弘菅原 由美子庄司 憲明
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2005 年 11 巻 1 号 p. 8-15

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抄録
口腔乾燥症患者における口腔粘膜保湿度と総唾液分泌量との関連について検討した。対象は, 口腔乾燥症患者27名 (男性3名女性24名, 34歳~87歳, 平均年齢58.4歳) および健常ボランティア25名 (男性14名, 女性11名, 18歳~87歳, 平均年齢48.8歳) とした。口腔粘膜保湿度は, 口腔水分計モイスチャーチェッカー・ムーカス (MY01, スカラ社製) を用いた。総唾液分泌量は, ガムテストおよびサクソンテストによって測定した。口腔粘膜保湿度の測定部位は, 頬粘膜, 舌, 口唇, 口蓋粘膜の4部位とした。その結果, 患者の口腔粘膜保湿度はボランティアと比較して統計学的有意に低下していた。一方, 総唾液分泌量の低下は, ガムテストで患者の33.3%のみに, サクソンテストで患者の63%にみられた。口腔粘膜保湿度とガムテストおよびサクソンテストによる総唾液分泌量との間に, 相関関係は得られなかった。患者の舌における口腔粘膜保湿度低下は, ほかの部位よりも統計学的有意に顕著であった。
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