2006 年 12 巻 1 号 p. 1-4
この研究の目的は漢方薬 (麦門冬湯) の口腔乾燥に対する臨床的効果を検討することである。
対象患者は口腔乾燥症で自治医科大学付属病院を受診した男性1名, 女性15名である。年齢は54歳から82歳で, 平均67歳であった。対象16名中15名の患者は他の疾患に罹患し何らかの投薬をうけていた。われわれは, 対象患者に対して, 麦門冬湯を1ヶ月間投与した。13例 (81%) は漢方薬の麦門冬湯投与により, 自覚症状として口腔乾燥の改善を認めた。8例 (50%) において, 5分間安静時唾液量は, 0.5ml/5分以上であった。薬剤の副作用は認めなかった。