日本口腔粘膜学会雑誌
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当科での若年者シェーグレン症候群における検討
加藤 洋史酒井 英紀品川 泰弘川又 均佐々木 忠昭今井 裕
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2006 年 12 巻 1 号 p. 11-15

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抄録
シェーグレン症候群 (SS) は一般に中高年の女性に発症するが, 40歳未満の若年者にもみられることがある。40歳未満のSS患者は40歳以上の中高年のSS患者に比べ, 乾燥症状が軽度と考えられている。そこで, 今回われわれは, 1995年から2002年までの8年間に当科において1999年厚生省シェーグレン症候群診断基準でSSと診断された136例を対象に, 40歳以上 (中高年) と40歳未満 (若年者) の2群に大別し, それぞれの比較検討を行った。唾液分泌量測定, 唾液腺シンチグラフィー, 唾液腺造影検査, 口唇生検, Schirmer 試験, 眼科検査, 血清検査等を行った。その結果, 40歳未満の症例では口腔乾燥, 眼乾燥の検査所見では陽性頻度は低い傾向にあるが, 血清自己抗体の陽性頻度が高く, 不明熱の精査中にSSと診断された症例が多かった。このため, 不明熱, 耳下腺腫脹を認める40歳未満の患者で乾燥症状がみられなくてもSSを念頭に精査をすすめる必要があると思われた。
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