日本口腔粘膜学会雑誌
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シェーグレン症候群の各種診断基準に関する比較検討
藤林 孝司後藤 聡森田 浩章目黒 こずえ榎本 昭二
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1996 年 2 巻 1 号 p. 60-68

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抄録
口腔乾燥の自覚症状または他覚的症状を有しシェーグレン症候群の診断のための各接検査を行った74例を対象として, シェーグレン症候群の各種診断基準を比較検討した。診断基準としてはわが国の厚生省基準, コペンハーゲン基準, カリフォルニア基準, ギリシャ基準, ヨーロッパ基準を用いた。診断の陽性率は厚生省基準とヨーロッパ基準が55.4%と最も高く, カリフォルニア基準は12.2%で最も低かった。検査法の感度と特異度をみるといずれの基準でもおしなべて両者ともに高く精度がよいのは口唇腺生検であり, 次いで唾液腺造影撮影も比較的良好であった。多変量解析の結果からみると, 診断基準の相互関係はヨーロッパ基準と次いで厚生省基準が最も易しい基準であり, さらにコペンハーゲン基準, ギリシャ基準の順で, カリフォルニア基準は最もきびしい基準と考えられた。
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