日本口腔粘膜学会雑誌
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口腔粘膜疾患の臨床統計学的検討
戸田 ひとみ高橋 雄三冨塚 清二木村 泉榎本 昭二
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1996 年 2 巻 1 号 p. 69-75

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抄録
1989年1月から1993年12月までに当科を受診した口腔粘膜疾患923症例について臨床的検討を加えた。疾患別の内訳では扁平苔癬が254例 (28.2%) と最も多かった。続いてアフタ性疾患・口内炎178例, 白板症160例などの順だった。男女比は1:1.66とやや女性に多かった。平均年齢は全体で51.7歳, 男性50.6歳, 女性52.4歳であった。主訴では接触痛, 誘発痛も含め何らかの疼痛を訴えた症例が534例 (57.9%) であった。当科で多く代表的な口腔粘膜疾患である扁平苔癬と白板症について比較検討した。性差では扁平苔癬は1:2.7と女性に多く, 白板症は1.3:1であった。主訴別では疼痛を訴えたものが扁平苔癬で71.2%, 白板症では25.6%であった。病悩期間に差はなかった。発症部位では扁平苔癬は両側頬粘膜に最も多く頬粘膜とその他の部位にまたがるも多かった。白板症では歯肉, 舌の順で単独に発症する例が多かった。
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