日本口腔粘膜学会雑誌
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13歳女児に発症した尋常性天疱瘡の1例
鈴木 健司清水 諭須賀 正子伊藤 雅彦久保田 英朗三宅 哲後藤 香子天谷 雅行
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2002 年 8 巻 1 号 p. 37-42

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抄録
尋常性天疱瘡は40歳から60歳代に好発する自己免疫疾患とされている。本症例は13歳女児で, 口腔, 食道および外陰部粘膜に水疱とびらんを認めた。また, 皮膚病変の合併は認めなかった。病理組織学的検査 (棘融解) とDsg 3に反応を示す血清学的検査により, 粘膜優位型の尋常性天疱瘡と診断された。prednisolone 内服開始後, 臨床症状は改善したが, 抗Dsg 3抗体価は高値のままであった。尋常性天疱瘡の小児発症例は非常に稀であり, このような症例の診断には特に注意が必要であると思われる。
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