2026 年 21 巻 2 号 p. 31-39
要旨:[目的]覚醒下手術は,悪性脳腫瘍患者にとって非常に緊張感やストレスの強い体験であるため,周術期看護の専門性のさらなる拡張が求められる分野である。しかし,覚醒下手術における周術期看護ケア実践と学習ニーズは明らかにされていない。本研究の目的は,覚醒下手術を受ける悪性脳腫瘍患者に対して行われている周術期看護ケアの実践と,それに関して看護師が抱える学習ニーズを明らかにすることである。
[方法]脳腫瘍患者に対する看護に携わる看護師19名に対して半構造化面接を実施し,得られたデータを,Graneheimらが示した方法に基づいて内容分析した。
[結果]内容分析の結果,4つのカテゴリーにまとめられ,最終的に “覚醒下手術における起きている体験を意味づける周術期看護ケア” というテーマを生成した。看護師は,治療特性や疾患特性を踏まえ,【患者が抱く術中に “起きる” という状態や環境に対する解像度を高める】ことや【その後の生活の土台作りとして術中の記憶を意味づけする】こと,【術中環境を前提として五感に配慮してかかわる】ことを,【患者の療養生活を守るために領域横断的な連携をする】ことで実施していた。一方で,覚醒下という状況への解像度を高めるような支援や,手術の意味づけに向けた支援において,特に学習ニーズを抱えていることが明らかになった。
[結論]看護師がもつ知識・技術・経験を統合することのできるような,教育方略の必要性が示唆された。