2026 年 21 巻 2 号 p. 40-48
要旨:[目的]近年,医療技術の進歩によりその専門性を生かすために手術室スタッフの一員として臨床工学技士(clinical engineer:以下,CE)が配置されている。本研究の目的は他職種とタスク・シェアしながら働く手術室スタッフの想いを明らかにすることである。
[方法]タスク・シェアを行っている手術室に配属された看護師とCEを対象に,他職種とタスク・シェアしながら働く手術室スタッフの想いについて半構成的面接を行い,内容分析を用いて分析した。
[結果]タスク・シェアしながら働く手術室スタッフの想いとして,手術室看護師からは【タスク・シェアがもたらす刺激】【手術室看護師としての不足感】【タスク・シェア未完に対する戸惑い】の3カテゴリーが,CEからは【再認識する患者中心の関わりの大切さ】【タスク・シェアがもたらす刺激と補完し合う大切さ】【職種が異なることでおこるチーム醸成の難しさ】【タスク・シェアによる互いの専門性の欠如感】【構成バランスの悪さから来る負担感】の5カテゴリーが抽出された。
[結論]タスク・シェアはお互いの存在が刺激となり,モチベーションを高めることにつながるが,それぞれの専門性の欠如を危惧し,チーム醸成の難しさを感じていた。タスク・シェアするためには,タスク・シェアへの理解と各職種の役割・業務分担についての合意形成が不可欠であり,職種間の密なコミュニケーションが重要であることが示唆された。