抄録
米国における COVID-19の感染拡大でロックダウンとなった地域の,英語学校に通う非ネイティブスピーカーを対象に,各作業領域の参加制約感の程度と,QOL・主観的健康感,および生活全般への悪影響の程度との関係を調べるためアンケート調査を実施した.参加制約感は,余暇,対面社会的交流,学習,コミュニティ参加,仕事の順に大きく,学習への参加制約感は QOL,精神的健康感,ルーチン,作業バランスに, 家事は QOL に,対面社会的交流は身体的健康感に,いずれも有意な比較的強い相関があった.非ネイティブスピーカーのロックダウンによる作業参加制約の状況理解が深められ,単純に参加制約感が大きければ,QOL・主観的健康感および生活全般への悪影響が大きくなるのではなく,作業形態・意味・機能の多様性と,作業を行う人の役割や,将来自分が担いたい作業に結びつく作業領域であるかどうかが関係することが示唆された.