日本生理人類学会誌
Online ISSN : 2432-0986
Print ISSN : 1342-3215
ペン入力システム操作時におけるパフォーマンス評価とその推定に関する考察
鈴木 哲笠松 慶子矢頭 攸介二宮 理憙
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2004 年 9 巻 3 号 p. 93-99

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抄録

企業における製品のユーザビリティ評価では,時間計測等のデータを基にしたパフォーマンス評価,アンケート等を利用した主観的評価,プロトコル分析等を用いたインタラクション評価等が用いられるのが一般的である。その中でもパフォーマンス評価は,実施が容易であり,また特にPCなどのシステムのユーザビリティ評価においては,データ収集を自動的に行うことが可能なため,即時に定量的分析を行うことも可能といった利点により,非常に多く利用され,また研究もなされている。このような分析には,遂行時間と正確さといった指標が一般的に扱われる。これは,ISO9241のPart1に規定され,ISO9241シリーズに一貫して用いられている「使用性」の概念に基づくものである。ここで扱われる「使用性」の定義として,指定された目的を達成する際に費やされた資源として"効率(efficiency)"を,また目的を達成する上での正確さを表す"有効さ(effectiveness)",及び利用者の肯定的な態度としての"満足度(satisfaction)"の3点とされており,遂行時間と正確さは,それぞれこの"効率"と"有効さ"に該当する。

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© 2004 日本生理人類学会
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