日本生理人類学会誌
Online ISSN : 2432-0986
Print ISSN : 1342-3215
ウェイトリフティング選手の呼吸機能特性について : 呼吸筋力に着目して
解良 武士小椋 一也猪股 高志
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2004 年 9 巻 4 号 p. 151-156

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抄録
呼吸筋は心臓と並ぶバイタルポンプとして,人体において重要な役割を担う.よってスポーツ領域でも呼吸筋は重要な要素として捉えられるべきである.その呼吸筋能力を構成する要素は,呼吸筋力と筋持久力の2つに大別される.呼吸筋力は,最大吸気努力あるいは呼気努力時の口腔内圧で表される.前者は最大吸気口腔内圧(以下PImax),後者は最大呼気口腔内圧(以下PEmax)と呼ばれる,一方呼吸筋持久力は,定量呼吸負荷または漸増呼吸負荷での到達最高負荷量,持続時間,最大換気量などで表される.例えば漸増的または定量的に流量制限や圧負荷をかけたときの運動持続時間や,吸気を高CO_2(4-6%)にコントロールした状態で過換気を行わせた際の最大換気量鉤を測定する方法などがある。これら呼吸筋力や呼吸筋持久力は,呼吸筋のバイタルポンプとしての役割が換気であるため,換気能力との関連がよく議論される.病的状態では、呼吸筋力と病態とは関係性が強い。
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© 2004 日本生理人類学会
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