2016 年 61 巻 2 号 p. 41-48
我々は,2015 年のヒノキ科花粉の飛散状況を調査するとともに,スギ花粉情報を配信するメール配信サービスを行い,「登録群」と「非登録群」における花粉症の症状およびメール配信サービスの有用性に関して検討した. 2015 年のヒノキ科花粉の飛散数が少なかったため,花粉症の症状の改善度に関して,2 群間に有意差が認められなかった.しかしながら,「登録群」において,「メールがまあまあ役立った」および「役立った」との評価が 92.3%であり,統計学的にもメール配信の有用性が証明された.抗原を意識するきっかけとなるメール配信は,初期治療参加を促し,患者満足度をより高める方法の一つとして有用であることが示唆された.