日本花粉学会会誌
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キウイフルーツ花粉の効率的採取に向けた一斉採花の検討
村上 覚
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2022 年 68 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

キウイフルーツかいよう病Psa3の発生に伴い,キウイフルーツ生産者は,花粉の安定確保に向け,自家採取を見直している.キウイフルーツ花粉の自家採取は重労働であるため,効率化が求められている.そこで本研究では,一斉採花による効率的な花粉の採取方法について検討した.本手法で花粉採取量が最も多かったのは,中心花が5分咲き頃であったことから,この時期が適していると判断された.また,一斉採花は慣行の個別採花と比べ,採花期間が1/6程度と短くなり,一日当たりの花粉採取量は2.5倍に増加したため,花粉採取作業の軽労化が期待できた.その一方で,本手法で得られた花粉の総量は個別採花の半分以下になり,花粉の発芽率も20%程度低くなったことから,その改善が課題であると考えられた.

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© 2022 日本花粉学会
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