薬剤疫学
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JMDC データベースを用いた妊婦・新生児の特定方法とその一般化可能性に関する検討
汐月 雄一土屋 志織寺島 玄
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論文ID: 29.e1

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抄録

目的:株式会社JMDC の保有するデータベース(JMDC データベース)を使用して新生児とその母親である妊婦の組み合わせを特定する方法を示し,日本全体への一般化可能性を検討した.

方法:JMDC データベースに含まれる加入者台帳の情報を用い,2016年から2020年に出生した新生児およびその母親の特定を行った.まず,被保険者に対する続柄が「子」であり出生年月に健康保険組合へ加入した者を新生児として特定した.この新生児の生年月に,同じ世帯に属する被保険者自身またはその配偶者である18~49歳の女性加入者を母親として母子をリンクした.これにより得られた母子の一般化可能性について,日本の公的統計として人口動態統計,国勢調査および人口推計を用い,新生児出生時の母親の年齢と,18~49歳の女性に対する新生児の数の割合により評価した.

結果:2016年から2020年において,JMDC データベースから合計194,036組の母親と新生児のペアを特定した.新生児出生時の母親の平均年齢は31.9歳であった.一方,同期間の日本の出産数は4,538,786であり,新生児出生時の母親の平均年齢は31.5歳であった.JMDC データベースにおける2020年の18~49歳の女性1,000人あたり新生児の数は,日本の37.0人に対して19.0人であった.

結論:本研究で用いた妊婦・新生児の特定方法は,妊婦や新生児を対象とした研究に有用であると考える.

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