1974 年 19 巻 4-5 号 p. 201-206
脚筋における力・速度・パワー能力の年齢変化に伴う, 推移を調べることを目的として, 15才から72才にわたる健康な男子277名について, 膝関節伸展運動を最大努力で行なわせた際の等尺性最大脚筋力, 無荷重状態における最大脚筋速度および荷重負荷法によって得られる最大脚筋パワーの測定を行なった. これらの測定値について, 各年齢群の平均値の一様性を分散分析によって検討した結果, 三種の測定項目はいずれも年齢群の差によって相違することが結論された. そこで, 三種の各測定項目と年齢の間における関係を調べると, 最大脚筋力では20〜24才の年齢群で最も強い値を示し, それ以上の年齢群では減少する傾向であった. 最大脚筋速度および最大脚筋パワーでは, 15才以上の年齢では年齢の増加に伴っていずれも減少する傾向となった.