日本農薬学会誌
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短報
ガスバリア性フィルム被覆下の黒ボク土におけるクロルピクリンおよび1,3-ジクロロプロペン濃度の維持効果
山本 幸洋 武田 藍國友 映理子横山 とも子小原 裕三
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2019 年 44 巻 2 号 p. 109-114

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抄録

ガスバリア性フィルム被覆下の黒ボク土におけるクロルピクリン(CP)および1,3-ジクロロプロペン(1,3-D)濃度の維持効果を評価した.CPと1,3-Dの混合剤を注入後,土壌表面をガスバリア性フィルムで被覆するGBF区とポリエチレン製フィルムで被覆するPEF区を設置した.測定地点は,地表(フィルム直下),地表下10および20 cmとし,空気中のCPおよび1,3-D濃度を経時的に測定した.GBF区における薬剤濃度はPEF区と比べて高く推移し,土壌くん蒸開始6日後までに全ての測定地点で有意差が検出された.GBF区における薬剤濃度と時間の積(CT値)は,PEF区と比べて48–214%増加した.これらのことから,ガスバリア性フィルム被覆は,黒ボク土においてCPおよび1,3-D濃度を維持し,CT値を増加させる.これにより,CPおよび1,3-Dのより高い薬効が期待できる.

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