日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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SLEに合併した血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP)
副腎皮質ホルモン, urokinaseにより寛解した1小児例
深沢 啓治小磯 良孝生田 孝一郎佐々木 秀樹松山 秀介
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1987 年 1 巻 1-2 号 p. 185-190

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抄録
SLEに合併した血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) の8歳女児例を報告した.円形紅斑.pericarditis, LE細胞陽性, 抗核抗体および抗DNA抗体陽性からSLEと診断した.また.微小血管障害性溶血性貧血, 血小板減少症, 意識障害, 発熱および腎障害があることから, 続発性TTPと診断した.われわれの症例では, 流血中の免疫複合体 (circulating immune complex, 以下CIC) の増加が認められており.TTPの発症にCICがなんらかの関与をしていると思われた.本症例には, 抗血小板療法 (aspirin, dipyridamole) は無効であったが, 副腎皮質ホルモンとurokinaseの投与によりTTP症候群は劇的に改善した.SLEとTTPとの関連につき文献的考察を行った.
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