日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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治療終了後視力障害にて再発し再度の長期寛解を続けている急性リンパ性白血病の一例
生田 孝一郎小磯 良孝奥山 利也甲斐 純夫梶ケ谷 保彦船曳 哲典深沢 啓治佐々木 秀樹松山 秀介
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1987 年 1 巻 1-2 号 p. 181-184

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抄録
10歳のALL男児が, 治療終了後2ヵ月して, 白血病細胞の視神経および上顎洞への浸潤によると思われる視力障害および両耳側半盲をきたした.眼底所見は, 両側の乳頭浮腫を認め, CTスキャンにて, 両側の視神経の肥大および左上顎洞の腫瘤を認めた.髄液所見は細胞増多を示した., メソトレキセートの髄注, 両側眼窩への照射, 化学療法により, 視力障害はすみやかに改善し, 両側眼底所見も正常となった.全脳脊椎照射をうけたのち, 30ヵ月経過後, 晩期強化療法を施行した.再発後, 55ヵ月経過しているが, 特別な副作用もなく完全寛解持続中である.
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