抄録
わが国における若年型慢性骨髄性白血病の後方視的アンケート調査を行った.1986年から1995年の10年間に診断された若年型慢性骨髄性白血病の50症例が, 47施設から登録された.診断時の年齢は2ヵ月から5歳6ヵ月, 年齢の中央値は2歳1ヵ月, 男女比は約2 : 1 (男児34例, 女児16例) であった.予後調査が可能であった49例の生存率は23.3%で, そのうち同種造血幹細胞移植を受けた14例の生存率は49.0%, 非移植例35例の生存率は13.7%であった.移植の前処置として, 14例中13例に全身放射線照射が施行されていた.非移植例の予後不良因子として, 診断時年齢が高いこと (2歳以上), 血小板数が低いこと (33,000/μl未満), 脾腫が小さいこと (5cm未満) が示唆された.強力な化学療法を受けず経過が良好であった5例のうち, 4例の診断時年齢は1歳未満であった.